Instapaperを使い始めてみた
blog/twitter/Facebookを始めとするSNSの真の利用価値は、情報をいかに拾うかということにある。僕はFeedlyといったRSSは全く利用していないため、こういったSNSは研究や社会、もっと広くトレンドというものを把握するうえで重要なツールとしての存在価値を持っている。
一方で、情報をいかに拾うか、ということは、いかに捨てるか、ということと表裏一体であり、この「いかに捨てるか」という部分には色々と苦労させられてきた。
たとえばTwitterには「お気に入りに登録」という機能(通称、「ふぁぼ」)がある。これにはどういった活用が考えられるかというと:
- このツイート/エントリー(以下、単に「ツイート」)は「あとで読む」
- 「このツイートが好きだ」
といった感じだ。ブラウザの中ではブックマークに登録する行為に相当するだろう。しかし、ツイート内のURLリンクというのは、次の意味で短命である:
- リンク先が変更される可能性がある。
- リンクが削除される可能性がある。
- リンクを掲載したツイートのツイート主が、非公開になる可能性がある。
- リンクを掲載したツイートが、削除される可能性がある。
つまり、ブラウザでのブックマークとは異なり、ツイートを経由して何かを「お気に入り」「あとでよむ」に登録する行為には、持続力が欠ける。*1
僕も過去には、ふぁぼりまくって「あとでよむ」気になっていたが、上の1〜4のような理由で情報へのアクセシビリティを失ってしまったことが多くあった。具体的には、
- 入手したい情報に関するツイートを読む
- それを脊髄反射でお気に入りに登録する
- 後日、お気に入りリストにアクセスする
- 当該のツイートを探す
- アクセスする
- 入手したい情報を手に入れる
多い。無駄が多い。こんなにステップ数を踏んでしまっては、情報にたどり着くころにはヘトヘトだ。
ここで考えられるのは、Evernoteの利用だ。Evernote WebClipperを用いれば、少なくともPCのブラウザ上からは、一発でEvernoteに情報をクリップしておくことができる。
しかし、iPhoneでは必ずしもそうは問屋が卸さない。Twitterの公式アプリは、Evernoteとのリンクができないのである。具体的には、公式アプリからEvernoteへの直接的なクリップができないのである。そのため、公式アプリからは、URLにアクセス、Safariで開き直す、Evernoteへクリップ、というステップがかかる。この「Safariで開き直す」というのは案外にメンドウだ。タブも自動的には消えず、残るからだ。
Instapaperの高い「互換性」を利用
InstapaperはTwitter公式アプリに搭載されている「あとでよむ」機能だ。このシステムを利用すると、
- 気に入った記事を見つける
- URLを長押ししてInstapaperに送る
これでおしまいだ。 簡単!早い!
しかも、PCではChromeにもFirefoxにもアドオン(拡張機能)がある。ブラウザの環境をかえてしまえば、記事をショートカット一発でInstapaperに持って行くことが可能だ。
なお、Instapaperに送った記事を閲覧するのはこんな感じ。アカウントを作る必要はあるが、ただそれだけだ。
ここで寛容なのは、決してInstapaper内で「お気に入り」登録などを行わないことだ。お気に入りする前にフォルダを作って項目をわけたほうが早いし、そもそもevernoteにさっさと転送したほうが早いだろう。
もちろん、読んで不要だとおもった情報は捨てればいいし、読んで活用したい場合には改めてEvernoteに送ればよい*2。
最も重要なのは、Evernoteをただの「クリップ」として利用しなくなった点にある。Evernoteには理路整然としていてほしいのだ。そのために、Instapaperで一旦保管し、情報を捨てるのだ。懐には大事なものしか入れたくないのだ。
そう、Evernoteは懐だ。
イメージとしては、 Evernoteが、懐。 Instapaperは、掌。
懐に入れて拾う前に、掌に載せ、捨てるか拾うかを決めてしまうのだ。いきなり懐にいれる必要はない。
この意味で、拾うと捨てるは表裏一体であるが、拾う行為には拾得物を懐にいれるという高次元さが伴う。その掌としてInstapaperは、最も使いやすい。
なお、iPhoneアプリは有料だが200円程度であった(僕が購入した時分には)。これは多くの情報を真の意味で取捨選択したい万人にオススメできる、素晴らしいサービスだ。