科学論文を投稿するときに、やること、やってはいけないこと
Walsh et al. 2008: The do's and don't's of submitting scientific papers Comparative Biochemistry and Physiology Part B: Biochemistry and Molecular Biology
やるべきこと
投稿する前に、ジャーナルのスコープとそれに関する記述を吟味すること!
:そのジャーナルの読者層がズレている場合、アクセプトする価値がそもそもないわけです。
様式をきちんと整える!
:「アクセプトされたら整える」なんて言う人もいるが、不要な落ち度をつくるべきではないでしょう。
コストを確認すること!
:ページ制限を越えたら?カラー処理は?別刷りチャージは?
カバーレターを丁寧に書くこと!
:重複投稿がないこと。データは他のどこにも掲載されていないこと。共著者全員の了承がとれていること。新規性を紹介する。なぜこの研究には価値が有るのか。なぜこのジャーナルに適していると考えられるのか。
査読者の候補、エディター候補を提案すること!
:ジャーナルのスタッフは忙しいので、余計な手間をかけさせるくらいなら、研究背景を理解している著者自身が適切な査読者やエディターを指定したほうが、お互いのためでしょう。
やってはいけないこと
submitボタンを押したら全てがスムースに進む…などと考えてしまうこと
:査読者のレポートは〆切が2〜4週間程度。そして査読者とエディターのやりとりもある。投稿後6週間〜2ヶ月音沙汰がないなら、問い合わせてみよう。しかし、フィールドのシーズン、グラントの〆切、ホリデーなどによっては対応が遅れることもある。
エディターからのコメントを文字通りに解釈すること
:「査読者は全員アクセプトといっているよ!」とか「リジェクトにきまっているだろう」などという解りやすいレターはそうそうない。むしろ、「アクセプトするならメジャー・リヴィジョンが必要」、「このままではアクセプトできない。リバイズするかしないか、決めてくれ」といった定型的な書き方が多く、その場合には門戸は閉ざされたわけではない。
査読者のコメントを過度に個人的に受け止めること
:エディター自身、査読者が個人的にコメントを入れ込んでも深刻に受け止めない。エディター側は、誰が査読したかもちゃんと知っているのだから。
そして再び、やること
改定後の原稿はアクセプトせざるを得ない、という状況に持ち込むこと!
:査読者への返事は丁寧すぎるほどに。礼儀正しく。
そしてアクセプト後には…
栄誉を享受すること!
:ウェブサイトのpublication listで、「submitted」を「in press」に書き換えてしまおう。
印刷の進捗を確認すること!
:プルーフを確認し、入念にチェックする。値、小数点、表、図やその軸、などなど。
勝利のダンスを踊ること!
:そのために研究者は生きているようなものである。