Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

言語学と寄生虫学

我々は英語を発音するとき、「訛り」を認識し、しかもその地域ごとの特徴をある程度は理解することができます。ヒトでの実験によれば、「寄生者感染」が念頭にある(=ヒトの意識が寄生者感染によってプライムをうける)と、その訛りをより認知しやすくなるのではないか、という研究。

Parasite primes make foreign-accented English sound more distant to people who are disgusted by pathogens (but not by sex or morality) Reid et al. 2012, Evolution and Human Behavior.

自分とは遠い訛りアクセントをもった人というのは、自分が経験したことのない真新しい寄生者を有している可能性がある。そういうアクセントをキューとして外国人嫌悪や自民族中心主義が心理的に獲得されてきたのではないだろうか、という仮説。面白いですね。

英語で調べているけど、古くは「言葉の通じない相手」との接触があったことでしょうから、古い起源は確かにあったのかも知れません。

なお、性的なプライム、銃を始めとする命に関わる事件のプライムはそういった認知力を高めることはなかったようです(有意ではなかった、というだけのことですが)。