Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

何月に論文を投稿すると掲載されやすいのか?

クリスマスホリデーのシーズンや、サマー・ホリデーシーズンになると、ふと考える。

いま投稿してもエディターは対応してくれないのではないか…

いま投稿してもレビュアーは対応してくれないのではないか…

いや、投稿数が少ない時期を狙ったほうが、チャンスなのではないか…

こんな葛藤に、Cell Pressの編集員が答えていました。

When Are the Best and Worst Times to Submit Your Paper?:Emilie, Can I Ask You? http://www.cell.com/crosstalk/when-are-the-best-and-worst-times-to-submit-your-paper

As the year comes to a close, I am prompted to answer a frequently asked question related to annual “seasons” at a journal—when are the best and worst times to submit a paper? I think there are two assumptions behind this question: first, that there are times of the year when submissions are significantly higher or lower than average; and second, that success rates will vary accordingly. The first assumption is correct. The number of submissions at Cell is generally representative of submissions at other Cell Press journals, and there are times of the year when submissions pick up. Submissions tend to be highest in the summer (June, July, and August) and around the late fall (October and November) and are relatively lower in February and March. The summer boom is likely fueled by graduate students wrapping up projects for a spring thesis defense, faculty teaching responsibilities and classes coming to a close, and inspiration/competitive angst on the rise, with all the exciting science presented on the summer meeting circuit. Bursts of activity late in the calendar year likely reflect attempts to ensure a publication date in that year. And there are smaller but predictable surges in submission: hundreds of papers are submitted just before the end-of-year holidays.

  • 年の瀬も近づいてきたことだし、FAQに答えようではないか。それはジャーナルの「シーズン」に関するものである – 投稿のタイミングの良し悪しはあるのか。あるとしたら、いつだろう?

  • この疑問の背景には、2つの仮定が潜んでいる:(1) 平均的な投稿数に比べて、投稿数が多い時期と少ない時期が、一年の間にある; (2) それに応じて、成功率*1が変動する。

  • ひとつめの仮定は妥当である。Cell誌における投稿数は他のCell Pressのジャーナルにおける投稿数のよい代表値になっていて、 投稿数が高まる時期というのが確かにある。

  • 夏(6-8月)と秋(10, 11月)は投稿数が最も多くなる傾向にあり、2, 3月は低い傾向にある。
  • 夏における投稿ブームは、春のPhDディフェンス(学位公聴会)に向けてプロジェクトをまとめあげるPhD学生や教員たちの授業が終了し、不安やインスピレーションに掻き立てられ、そして夏の楽しい学会シーズン開始、といった事情に加速されるのであろう。
  • 年末に近づくにつれて投稿数が増えるというのは、年内の業績を高めようという試みを反映しているのだろう。
  • そして、投稿数の僅かながら予測される増加にいたる:年末のホリデー直前には数百本の投稿がある。

But the second assumption is wrong. Our editorial criteria are not influenced by submission volumes or by publication rates. We send important and interesting papers for review because they’re important and interesting. If your paper is important and interesting, we’ll get excited about it regardless of how many other important and interesting papers are submitted that week.

  • しかし二つ目の仮定は妥当でない。
  • Cell誌編集員の掲載基準に対しては、投稿数も出版率も影響しない。
  • 編集員が重要で面白い論文をレビューに回すのは重要で面白いからである。
  • あなたの論文が重要で面白いのであれば、同じ週にどれだけ重要で面白い論文が投稿されようとも、編集員の興味はくすぐられる。

この最後の言葉には励まされるしとてもフェアだと思います。 ちなみに個人的に一度、とある伝統あるジャーナルに「同じ週に、似たトピックを扱った論文が投稿されたので相対評価している」と言われて、査読にまわるまで4ヶ月待たされたことがあります。 しかも後にその論文はリジェクトされて他のジャーナルに掲載されていたのですが、全然似ていなかったのです。そんなことしていたらだめですよね。

Still, there may be one seasonal impact—not on the outcome, but on the speed of decisions. In early August and mid-December we frequently receive cover letters to the effect of, “Here is a beautiful piece of work from my lab. I will be on vacation for the next 2 weeks. It would be great to have the reviews when I get back.” And in response to our reviewer requests in those same time periods, we similarly hear, “Looks like a really interesting paper. Would love to review it, but I am on vacation for the next 2 weeks so I couldn’t get back to you till …”

  • それでも、ひとつだけ「時期」のもたらす効果があるだろう。それは結果に対してではなく、決定のスピードに対するものである。
  • 8月初頭や12月半ばには、カバーレターにこんなことが書かれている投稿を頻繁に受け取る:「私のラボからの美しい研究をここにお見せします。次の二週間はバケーションに出ますので、戻るころに査読結果をいただけると有り難いです」
  • そしてその時期にレビュアー・リクエストを送ると決まって「面白そうな研究だし査読できればどれだけ幸せかわからない、しかし次の2週間はバケーションに出ますので、○○までお返事はできません」という返事を受け取る。

So, happy holidays from me and the rest of the Cell Press crew! By all means, submit your paper anytime you want. But if you send it on New Year’s Eve, don’t be surprised if it takes just a few days longer to get news.

  • それじゃ、私と、Cell誌の関係者から、"Happy holidays"と申し上げたい。よいでしょう、好きな時に投稿して下さい。しかし大晦日に投稿されても、我々からの返事にすこしばかり時間が必要でも、驚きはしないでくださいね。

投稿する自由はありますよ。すっきりした気分で紅白歌合戦を観て、「行く年くる年」を観るのも悪くないでしょうから。ただ、師走は大晦日に駆け込みで投稿するよりも、原稿と共に新年を迎えて推敲を深めてから投稿してもよいかも。どうせどの編集員も査読者も、大晦日に投稿があってもハンドルできないのだから。

ということで結論:好きな時に投稿すればよい。

*1:アクセプト率と思えばいいだろうか