Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

2017-01-01から1年間の記事一覧

アメリカ英語へのカルチャー・ショック

アメリカに来て一年が経ちました。当初は速くて全く聞き取れなかった友人Aの英語も70%は理解できるようになったり、そうでない友人もいたり。 これは、「1対1の英語」と、「王道的な英語」の複雑な相互作用に依存するとは思うのですが、一緒に話す時間の長…

学術論文・プレゼンでのフォント特集1:英文原稿 本文 編

書道が好きなこともあり、フォントが大好きです。そんな僕にとって、論文を書いたり、プレゼンの資料を作るのは、ちょっとした幸せな時間でもあります。 「フォント」と一括りに言っても様々なものがあるので、今回は、 学術論文などの、原稿(本文、図) プ…

LaTeXのワードカウントにはSublimeプラグインを使おう

Sublime Textというテキスト・エディタがあります。ファイル形式(そして言語)に従って、様々なカラーでのハイライトを行なってくれるエディタです。 Sublime Text 2 - Sublime Text .texを含め、だいたいのプログラム言語のファイルを開いて、快適に編集す…

国際学会で僕が心がけていること

国際的な学会でいかに自身の研究を面白く伝え、顔を覚えてもらえるか、というのは、アメリカやヨーロッパでは特に重視されていることのように思います。それをどのように活かすか。僕の直近の経験談から探ってみたいと思います。 まずは経験談から とても評…

論文内で「新奇性」をゴリ押しするのはちょっと、お下品

Novel Insights into Priority Claims:Cell Reporter http://www.cell.com/crosstalk/novel-insights-into-priority-claims 何かと話題になっているこの問題。以前にも、編集長が新奇性を判断してエディターリジェクトするのが良くないという記事 lambtani.h…

何月に論文を投稿すると掲載されやすいのか?

クリスマスホリデーのシーズンになると、ふと考える。 いま投稿してもエディターは対応してくれないのではないか… いま投稿してもレビュアーは対応してくれないのではないか… 投稿数が少ない時期を狙ったほうが、チャンスなのではないか… こんなごく自然な葛…

知っておきたい誤謬7: homunculus fallacy(ホムンクルスの誤謬)

定義 原理上、無限に後退させることが可能な推論。 分類 形式的誤謬。 論理形式 Phenomenon X needs to be explained. Reason Y is given. Reason Y depends on phenomenon X. Homunculus Fallacy 説明 論理形式がやや分かりにくいが、終わりのないループに…

知っておきたい誤謬6: Masked man fallacy(覆面男の誤謬)

最初のおことわり 今回のポストはとても中途半端で散文的になってしまいました。査読をうけていないのがその一因です。 それでも公開するのに踏み切ったのは、意見や議論を受け付けたいという目的からです。 従って、このポストの内容を科学的弁論に採用する…

知っておきたい誤謬5: Ecological fallacy(シンプソンの誤謬・生態学的誤謬)

定義 部分的な集団同士を比較した時の平均的な傾向と、全体集団同士を比較したときの平均的な傾向とが、一致しないがために、 集団間の比較による(統計的な)推論が機能しないこと 分類 非形式的誤謬 背景・説明 Simpson’s paradox。名前は、「発見者」にち…

知っておきたい誤謬4: Circular reasoning(トートロジー・循環論法)

定義 仮定Xから結論Xを導くこと。 論理形式 X now holds true. Therefore, X holds true. 命題Aが成立すると仮定する。このとき仮定より、命題Aが成立する。 分類 形式的誤謬。 説明 Tautology、トートロジー。 推論の価値というのは、仮定Xとは別の結論Yを…

知っておきたい誤謬3: Naturalistic Fallacy(自然主義の誤謬)

定義 事実命題(X is Y)が真であることから、規範命題(X should be Y)が真である、と結論づけること。 あるいは事実判断から、価値判断を引き出すこと。 論理形式 X is (or is not) Y. Hence, X should (or should not) be Y. XはYである(ではない)。ゆ…

知っておきたい誤謬2:Amphibology (曖昧さに基づく論証)

定義 曖昧な定義に基づいた概念に基づいた推論のこと。Fallacy of ambiguityやamphibolyといった言い方もある。 分類 形式的誤謬の一つ。 論理形式 Claim X is made. Y is concluded based on an ambiguous understanding of X. https://www.logicallyfallac…

誤謬のカテゴリ

誤謬とは、論理的な推論上の誤りのことを指しますが、大雑把に言って、2つのカテゴリに別けられます: 論理的 誤謬 非形式的 誤謬 このカテゴリ分けは、形式的な記述が可能かどうかで分けただけなので、誤謬(に基づく論証=詭弁)を理解する上で本質的とい…

知っておきたい誤謬1: Argument from Hearsay (伝聞に基づく論証)

定義 他者からの伝え聞きのみを根拠として、命題の真偽の判断を行なうこと 論理形式 Person X said A is true. Therefore, (one should conclude or accept that) A is true. X氏が、命題Aは真だと述べた。故に、命題Aは真である(と結論づけるべきである)…

知っておきたい誤謬集

「知っておきたい誤謬集」概要とその目的 誤謬とは、推論の過程に誤りがあるために、推論そのものが正しくないことを言います。 推論とは、仮定から 結論を導くことです。 誤謬があるかぎり、仮定が正しいかどうかに関係なく、その推論は常に正…

論文の謝辞で気をつけること:無難な書き方

論文の最後のパートでは『謝辞』を表明します。論文に対して実質的に貢献は無いが、個人的な補助や、資金面のサポートを助成金によって受けた場合には、謝辞に表明します。 でも案外、謝辞を書くのって難しいです。こんなサービスすらあります。 謝辞ジェネ…

アメリカでの銀行口座の開設

結局、アメリカでも銀行口座を開設しました。開設したのは年明け前なんですけど、とてもカンタンだったので、方法をご紹介します。 まずは社会保障番号を手に入れよう 通称Social Security Number、 SSN。日本でいうマイナンバーです。これを獲得するために…