先日、KSY先生から次のような質問を受けた:
二次関数y=f(x)=ax^2+bx+cとしたとき、aは傾きの変化、つまり曲率のようなものを表していて、cはf(0)つまり切片を表すよね。じゃあbの独立的な幾何的な意味は?
当然、bは頂点の座標を基底するものだが、平方完成をすると、頂点は(-b/2a, c-b^2/4a)である。パラメータが3つで頂点は2次元なので、独立していない。aとcとを先生が言うような幾何的意味で捉えると、確かに意味が見当たらないことが予測される。
これは次のように二次形式で考えよう:
すると、対角成分はaとcでこれには独立の意味が与えられる(分散だと思っていい)。
いっぽう、非対角成分はb/2で、独立の意味は必ずしもない(共分散だと思っていい)。
以上は直感的な解釈だが、対称行列は次のように対角化可能であることが知られている:
つまり自由度(独立したパラメータの数)は2(以下)である。したがって、bには独立した幾何的な解釈はないということになる。
※直感的な説明なので、数学的にはもっとちゃんとやるべきでしょう。