Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

未読

今週・先週にかけてななめ読みした論文。

Plant mating system transitions drive the macroevolution of defense strategies.

植物のもつ誘導防御には、構成的(常に発現)なものと、誘導的(襲われた時にだけ発現)なものとがあり、その遺伝的な基盤の解明はこれまでよく研究されてきましたが、実はそういった防御形態の背景には、繁殖様式に関する強い系統的な背景があった、というもの。
ううむこれはすごい。うなりました。

あと、

Assortative sociality, limited dispersal, infectious disease and the genesis of the global pattern of religion diversity

面白かった。熱帯ではなぜここまで宗教の多様性が高いのか、というのを(アソータティブな)社会性、限られた分散、そして感染症から説明しますよというもの。銃・病原菌・鉄っぽくて面白いなーと思ったらやはり引用されていました。

補足。intragroup-assortative sociality、out-group avoidance、limited dispersalが、局所的な軍拡競争のなかで選択されることによって、地域間の交流(特にgene flow)は減少し、独特の文化が形成されたのではないか、という論調の模様。

寄生者の多様性が宗教の多様性を説明する、というのが基本的なロジックです。アイデアは面白いしめっちゃ引用されていますね。しばらくフォローしてみようと思います。