論文の別刷り請求のすゝめ
「あ、この論文、うちの大学からだと落とせないな…」
そう思ったらすぐに別刷り請求しよう。
別刷りとは、著者がもっている論文・記事などのドキュメントファイルのことだ。僕は、落とせない場合にはほぼ脊髄反射でメールを送る。思わぬ議論につながったりもする*1し、面白い。
- べつに怖いことはない。
- むしろ著者は喜ぶだろう。
- 英語で書くための例文なんて、ネット上にいくらでもある。
- 友達が増える。
僕はだいたい、以下のようにする。
0. 準備
- メールをテキスト形式にする。文字化けを防ぐため。
- 署名の体裁をチェックする。ウェブサイトのリンクを貼るなど、自分のIDを示す工夫を。
- 相手の性別をチェックする。念のため。
- 相手の称号をチェックする。念のため。
1. タイトル
スパムと間違えられないように、"Reprint request"などとハッキリ書く。
GoodとかNiceとか相手(の論文)を褒めるタイトルはもう、SPAMメールのそれそのものだ。
2. 本文
- まずは、メールを書いている理由を述べる。I'm writing this e-mail to ask you for XXなど。
- 自己紹介をしてもいい。I'm XX, a PhD student with YY at ZZ.
- そして、ほしい論文の情報を提示する。Google Scholarの「引用」ボタンで出てくる引用形式+DOIや、DOIに基づくURLを表示すると話しが速い。
- その後、Supplementary InformationやAppendix、あるいはプログラムのスクリプトが欲しいのであればそれも書く。
3. 結び
- Sincerely yours, はたとえば会ったことのない相手に返信する(まさにフォーマルな)場合に用いる。
- Best wishes, とか Best regards, はなにかお願いしたときに書くので、ここではこれもOKだろう。
- Best, は「じゃ、またね」ぐらいの軽い感じなので、友達同士ならOK。
- Cheers, は「かんぱーい」というくらいのラフな感じ。フランクに話せる友達同士ならOK。
- Thanks in advance, はちょっと急かされてる感じがする。無理言って申し訳ないがなるべく早めにお願いを聞いてくれ、と要求したいときに書くので、ここではちょっと不適切。
4. 返事
返事がもらえたなら、すぐに返そう。
- ありがとうはもちろん言う。Thank you very much!
- 自分の研究の話もチラつかせる。I'm interested in your papers because....
- いつか会えますように。I hope we can meet up in the near futureとか。
- 国際学会の予定があるならそれもチラつかせる。 PS I'm visiting XX to attend the conference of YY in 20ZZ.
メールでも友達ができる時代だ。ResearchGate、LinkedIn、ウェブサイトくらいは持っておいて常に更新しないと、研究者としては社会に存在しないも同然。
*1:別刷りをくれた研究者の兄妹の配偶者が九州出身だったりしたときはびっくりした