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主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

滝沢カレンさんの唐揚げレシピ:分析

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話題の滝沢カレンさん。バラエティでの活躍は知っていたし、彼女の(優しい・人を傷つけない)言葉遣いや態度に好感を以前から持っていたのですが、彼女の唐揚げレシピを読んで驚愕しました。

天才としか思えない。僕もこんなのが書けるようになりたい。

どこまで狙ってやっているのか?いや、狙ってても構わない。狙ってやってるならそれはそれで素晴らしいと思います。突き抜けた才能を感じます。この天才的なレシピを、無粋にも、分析しました。

概要:高度なレトリックと模範的タレント要素のオンパレード

みなさん、こんばんは💕 ヘルシーに見えてそうじゃない、高カロリーに見えてそうでもない、 どちらも決めるのは胃袋ですってことにします😊

読ませる仕掛けの施しで口火を切っている。どんな料理を作るんだ!?なんのレシピなんだ!?気になってついついスクロールしてしまいます。

油物がほんとは大好きで、でも油物はカロリーがやら太るやらと可哀想な扱いされがちなので、なるべく外では油物を食べないで家で自分が作るときだけは食べていい、という決まりにしてます😉(たまにはご飯屋さんでもそりゃ食べる)

なぜならやはり味付けから肉の種類(鶏内)、油まで全部自分で確認できるからです☘️(こだわり強そうにみえてそこまで強いわけでもないのでご安心を)

為人が見える、安心できる“親近感”、そう、良い意味での庶民感。彼女は、人気者の立場に奢ることなく、僕らと同じ土俵で僕らに語りかけている。

私が家で唐揚げ作るときのお決まりをご紹介します😃

唐揚げは一度全て揚げてしもうと保存不便ですから、300gくらい買って半分は生のまま冷凍や冷蔵しますから、5〜6個を用意します😉

個数・分量が正確に明記されているのは、レシピの基本。ついつい目分量で調理を進めてしまいがちな人にも助かります。また、保存の難しさもはっきり断っている。どこまでも我々に優しいカレンさん。

私は味濃いのが好きなので今から話すことは味濃いと思いながら聴いてください。 薄いのが好きな方はこれから話すよりは自分で決めて下さいね😊

多様な人々への配慮をしています。そう、彼女はダイバーシティを重視している。なぜ多様な人物に対する情報共有が重要かを、理解している。

そしましたら、スタートです!

まず、透明度まではいかないがスーパーでよく見かけるしもらうしなの、ビニール袋を二重にします。 (豪快な方はジップロックなど)

快活なスタートを促し、手軽に始められる自信が湧きます。豪快な人もウェルカムな姿勢にも敬服。

そこに冷たい何も知らない鶏肉をいれてあげます。

何も知らない鶏肉。文豪が書くところの「泣き出しそうな空」。高度な暗喩です。レシピに暗喩を入れるというアイデアはもちろん、伝えたい情報がしっかり伝わってくる。

そう、鶏肉はこの段階では未調理のナイーブな状態だからです。塩もコショウも振っていない。彼女はそれを暗に伝えている。

やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉に上からいくつかかけ流していきます🙇🏼‍♀️ まずリーダーとして先に流れるのは、お醤油を全員に気付かれるくらいの量、お酒も同じく全員気付く量乾燥しきった粒にみえる鶏ガラスープの素をこんな量で味するか?との程度に、ふります。

僕はここに彼女の突き抜けた文才と敬意を感じます。ボッタリという擬態語。調味料界のリーダー。全員に気付かれる。乾燥しきった粒にみえる鶏ガラスープの素。

どの段階までいっても食料に生命の息吹を込めています。ここまでくれば、食への敬意。そうですよ。だって、食事とは、命をいただくことでもありますから。

いれすぎても、いれなさすぎても、あまり変わるわけではないので気にしすぎもよくないです!

フレンドリーなアドバイス。「とにかく少し入れる」。それだけで唐揚げの香りが良くなることを彼女は匂わせている

そして匂いが取り柄な、ニンニクすりおろしかチューブ、生姜すりおろしか、チューブを鶏肉ひとつにアクセサリーをつけるくらいの気持ちでつけてあげて下さい。 あとはごま油をご褒美あげるくらいにします。

ここで突如として展開されるチューブ調味料ディスかと思いきや、それをきっと華美過ぎぬアクセサリーに擬えています。

最後に気前よく塩胡椒して鶏肉への刺激は終わります🧚🏼‍♂️ 順番は自由です😊 あとは開きっぱなしの入り口を柔らかく結んでください。あとでまた開けます。

気前よく塩胡椒。ああ、たっぷり振っていいのだなという気持ちになります。料理する身として心得ていますが、料理において塩と胡椒の加減はとても大事です。過不足なくが基本ですが、唐揚げは、鶏肉のジューシーな香りが食欲をそそります。多少なり過剰にかけすぎても、大丈夫なのです。失敗しないのです。彼女はそれを教えてくれています。

あとは自分が二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに最終刺激します。 男のみなさんは自分の力を見せない程度にしてあげてください。

二の腕は、贅肉の増加を知るバロメータとも巷では言われています。“男のみなさん”はついつい、強く揉みすぎてしまうことに注意喚起をしています。

現に文部科学省の集計によると、男のほうが握力が平均的に強い傾向にあるようです。

「平成19年度体力・運動能力調査」の概要 2 調査結果の概要 1 年齢と体力・運動能力−文部科学省

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/houdou/__icsFiles/afieldfile/2009/10/13/1285568_1.pdf

そのことも念頭に置いているのでしょう。

うわっこりゃすごい色だ!と濃さや匂いに驚かれてる方は、15分位冷蔵庫で冷やしたらもう漬けるのをやめましょう。

わぁもういい匂いだお腹すいた!と笑顔になる方は、そのまま30〜60分冷蔵庫にて鶏肉を休ませてあげて下さい。

うーん、自分はどっちだ!?この叙情的描写には、人の感情に働きかける効果があります。これを見て、躍動感、臨場感を憶えた方もいるのではないでしょうか。

それぞれの時間を過ごしてる場合じゃなくこの間にお味噌汁、お米、副菜をお願いします。

今回は、副菜はえのき茸に鰹節が入った梅を混ぜただけの苦労知らずの一品と、ニンジンとほうれん草の誰だって知ってる胡麻和えです。

すりごま、お砂糖、醤油、などで終わらせます。

お味噌汁にはあまったえのき茸が再登場してくれました、あとはバレてしまってますが、炊き込みご飯でもう大丈夫といわれた油揚げもお味噌汁に再登場してます。あとはお豆腐とわかめのいつものメンバーで助けられてます。

トントン拍子に進む、サイドメニュー。お豆腐もわかめもにも命の息吹が込められました。また、メインの唐揚げだけでは見栄にも栄養にも偏りが出ることを考慮しているのでしょう。そう、彼女はを、高みを目指している。

そんな構いをしているとあっという間に待たせている鶏肉を思い出す時間になります。

非常に秀逸です。ここまでサイドの処理を読んで、調理を執りおこなって、はっ、とする我々へのリマインド。

面白いくらいにブったりした鶏肉があるはずです。

好き好きな入れ物に片栗粉と少しの小麦粉を入れて潤い満タンの鶏肉を一気にパサパサ雪世界にしてあげます。

鶏肉はこの頃には変貌を遂げているはずですが、それ実に見事に表現しています。潤い満タン。雨でも振った世界は、小麦粉によって銀世界の彩りに変えられることが、想起されます。

あ、その前にみなさん激熱油は用意できてますか?😅 私はたまにの油物なのでここは贅沢御免でオリーブオイルを170度くらい熱々にします。(飛び跳ね、指を入れるなど命かけてしないでください)

唐揚げにオリーブオイル。贅沢御免。揚げ物は温度が大事。170度というのは、実はかなりスタンダードな値です。

熱々に見えなくてもそこは想像を絶する熱さです。

170度にいきましたら、パサパサ鶏肉をおにぎりを一握りの気持ちで「いってこい」の後押して油へ...🔥 すぐさまなんかしらの反応見せたら、あ、楽しくやってるな、と見過ごしてあげてください。

鶏たちをついにお見送り。水槽にお魚を放すくらいの気持ちなのでしょうか。あるいはこの描写は我々に、大空いっぱいにはばたく鶏を思い描かせます。

何の反応もしてくれなかったら一旦取り出してください、油がまだ170度ではありませんそれは。😅 そして全体的に薄茶色になったら一旦油取りが紙(料理用)みたいのに移しさらなる高温に油を熱くします... 180〜190度にして、懲りずにまた唐揚げを油へ沈めて下さい。

「懲りずに」。カレンさんは、我々のモチベーションをエンカレッジしてくれています。失敗は怖くない。諦めることが一番怖い。彼女はそう説きたいのでしょうか。

だんたんとキャピキャピ音が高くなってきたら、ほんとに出してくれの合図です❣️ しっかりここではコミュニケーションとってください。 これ以上茶色な唐揚げみたくない!ってタイミングでもいいです。

オノマトペに楽しさを感じます。ここまでくると、料理人も匂いにやられて、お腹が空いているのです。コミュニケーションは、もちろん、キャピキャピしている鶏さんとです。どこまでもウィットを忘れません。

みなさん、「何事も早くがいい」と言われても、先に190度など高温にしてしまうと焦げたり中はまだあったまってないですから、気をつけてくださいね😋

温度が高すぎると、外ばかり揚がってしまい、中にまでは火が通っていないというのは、料理をしていれば知るところの事実です。

そんな鶏の唐揚げの物語でした📕

そう。これは鶏の唐揚げの物語だったのです。彼女は、物語のひとつのエピソードに、鶏の唐揚げをのせた。完璧に読ませられていましたね。

安全第一で無理矢理な時は油物は控えてくださいね。 でもたまーの大量油は身体もそこまで困らないとおもいます。

もちろん、油料理には危険が伴います。彼女ほどの影響力のある人物だと、こうした注意喚起も必須です。まだ火を管理できない年齢の子どもたちも、読んでいるかもしれませんからね。彼女の物語を。

是非、よろしくお願いします😊

さあ、スーパーへ鶏を買いに行きましょう。