Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

とある研究者の訃報を耳にして

私は分野が違うために存じ上げなかったが非常に優秀であった研究者の方が亡くなったという話を耳にしました。

 

どのような研究をされていたのかを知りたくて御名前で検索したらトップにブログがヒットしました。そこには、どのような症状があり、どのようなリハビリをされていtたのか、そして研究への熱意と苦悩が、非常に鮮明に綴られていました。

 

自分がもしも、飽く迄も仮にですが、何かの理由で社会の中で研究を続けることが困難になったとしたらどうするのだろうか、と考えると、抑えられない熱いものがこみあげてきました。私が10年近く研究を続けてこられたのは、本当に恵まれていて、幸運で、有難いことなのだと実感します。命あって、体あって、健全とは必ずしも言えないが心あって、今の自分とその研究成果、そして研究仲間がいるのだなと。

 

そして、いろんな要素の繊細なバランスの中で、人の命と社会での働き方があるのだなと、改めて感じます。

 

こう綴るうちにも、研究者としてのキャリアを築くことの困難さを感じるとともに、退官されるまで、あるいはキャリアを全うされるまで、我々若手研究者に轍を託してくださった方々に、感謝する思いが溢れてきます。

 

私は、あと何年研究を続け、私より若い方々に、良い影響を与えることができるでしょうか。長生き願望が余り無い私だったのですが、そんな贅沢なことは言えないな、毎日を後悔してもしきれぬほど、楽しく暖かく愛あり充実したものに…つまり「大切に」せねばならないなと思いました。研究が、その核の一つを占めているわけですが、「研究を大切にする」とはどういうことかについても、改めて考えるきっかけを頂きました。

 

研究を、どれだけ日常がイヤで落ち込んだ時にも、やめられない。そんなに研究を好きな自分になれたのは、これまでの自分やみなさんのお陰に他なりません。

 

最後に、心より、ご冥福をお祈りいたします。私はお会いしたことのない方ですが、考える契機を頂いたことに感謝いたします。