Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

研究に集中するための工夫

研究の時間の創り出し方

長年、いろいろと工夫をしながら研究に集中する時間を設けてきたけど、以下のエントリーでは、大事なことが明文化されていた:

penguinist-efendi.hatenablog.com

研究をする時間は限られる。特に、学生の頃のように自由に一日中研究できる(実験・解析・図作成・執筆などを全て含む)時間というのは、キャリアが上がるにつれ減少する気がする。もちろん、家庭の事情にも依存するので一概には言えない。

しかし、人事に関わることやその会議・審査、システムの運営・管理、講義・教育など、若い人(といっても僕も若手だけど)が安心して勉学・研究できる環境を作り出すための「仕事」も増えるのである*1

家庭を持っている場合であれば、育児・料理・家事・買い物などに、まとまった時間を確保する必要があるため、この研究時間減少傾向は顕著だろう。

そうなると、研究するための時間を意識的に捻出せねばならない。天が研究者に研究時間を与えることはない。

その意味で、上のエントリーの工夫は素晴らしい。ワークアワーを制限することが集中力をもたらすことは非常にイメージしやすい。僕の場合、リモートワーク化して最も大変だったのは、「理論的には一日のいつ研究してもよい」という状況に置かれてしまったことだった。いわゆるメリハリというやつがなく、ダラダラとパソコンに向かっているうちに夕方になって空腹になり、料理を開始して満足、食後にダラダラ作業、といったルーティンに陥ってしまっていた。

改めて、時間の使い方を再検討したい。机に向かう時間は大事だが、それは十分条件ではない。集中できないのであれば、その理由や原因を突き止め、解決すべきだと思う。

ただ、研究者の仕事は、固定されたワークアワーの中そのものから生み出されるのではない。一時間やれば一時間分の成果が出るのでその対価を望む、というような職務ではない。たとえば、ランダムなひらめきや人との雑談も大事である。決定論的な力と、確率的な事象。これらを、固定アワールーティンのなかにいかに組み込むかは、非自明な課題である。うまく組み合わせて、自分にとってもっとも集中しやすいスタイルを模索するとよいとおもう。

*1:あとは、査読依頼とかとかとかとか…