Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

下着を持たずにアメリカへ

2019年の夏のことである。国際学会での発表のためにプリンストンに飛んだ。非常に美しいキャンパスや、アインシュタインが住んでいた家(何の変哲もない家だった。下図)を見て回ったり、プリンストンの学生街を楽しんでいた。

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大学近くのホテルにチェックインし、シャワーを浴びようと思ったときだ。替えの下着(以下パンツ)がないことに気づいた。こやいかん、と買いに出ることにした。

ダウンタウンでパンツを買える店はあるだろうか?ないわけがない。しかし、どこで買える?ホテルの受付の方に尋ねることにした。

日本語ならともかく、私は英語ではかなり素を出すことができる。

Excuse me, I'm embarrassed to ask you this but I forgot to bring under-wears and so I'd like to buy ones. Where do you think I can get ones?

とかなんとか言ったと思う。すると、受付の方が、店の名前を教えてくれたので、御礼を述べて、店へと向かった。

その店は、ダウンタウンらしからぬ、それなりに「おたかそう」なお店だった。客足は少ない。入店直後から、たぶんスタッフに話しかけられるパターンであろう。しかし飛行機で疲れた身としては早くシャワーを浴びたい。さっそくパンツ物色を始めた。

するとなんと、パンツセールが行われていた神タイミングだった。そこで、無難なパンツを4着選び、会計を済ませた。だいたい80ドルくらいだったように思う(私の予算としては、これはなかなか高めである)。

会計してパンツ四着をかばんにつめ、ダウンタウンを歩くことにした。すると、ちょっと歩いたところにSafewayかWalgreensを見つけた。これらは、かなり安価に雑貨や食べ物を売っているお店である。日本でいう、コンビニ的なものだ。えっ?と思い、入店すると、パンツは売られていた。私の予算内に収まりそうなものだった。数ドルである。なんてこった、と思った。

しかし気づいたのだが、ホテルのスタッフは、回答が難しかったのではないだろうか。

アメリカのような階級社会では、客、つまりゲストに、「Walgreensで(数ドルの)パンツは売っている」と答えることは、なんだか客の「層」を「軽く」見ているような印象を与えるのかもしれない。「あなたは数ドルのパンツで十分だろう」というような。私には実際十分なのだが。つまり、聞かれた質問が非常にchallengingだったのかもしれない、と思った。

きっと、underwearsを買いたい、だけでなく、一時的に使用するとか、安めの(文字通りcheapな)underwearsを買いたい、と伝えればよかったのだろう。しかし私にはそうした機転までは回らなかった。

ちなみに購入した予算外パンツは、今でも現役である。

そしてちなみに、学会期間中に、バンケットで出されたご飯で集団食中毒があり、会期中には多くの参加者が下痢・嘔吐、ないし、講演キャンセルにいたるほどの症状に苦しめられていたとのことだ。私も食あたりを起こしたか?それは私と予算外パンツのみぞ知るところだ。さらにちなみに、参加していた学会は、Ecology and Evolution of Infectious Diseasesである。おあとがよろしいようで。