Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

Dropboxの有料プランに加入した

ついにDropboxの有料プランに加入してしまいました。一括で払うと一年で12000円。いままではあらゆる手を尽くして容量拡大の努力を行なっていたのですが、

  • 引用論文の管理ーーPDFリンクのはられたBibdeskによる管理
  • 発表資料の管理ーー年月と学会名でディレクトリわけ
  • 投稿論文の管理ーー執筆順(これはいつ10に到達するだろう・・・)

Dropboxで一括で行なうことにしたため、限界に達しました。

これまでは容量の90%をすでに使用していて、アラートで「限界が近いよ!」と注意されていたのですが、今後のことを考えると、まあ悪く無いかなと。バックアップのサービスも手厚く受けられるようだし。

問題は、Evernoteとのすみ分け。いまやチャットルームのためだけに契約している感じすらある。。便利なのだけど、Evernoteはそろそろ見切りをつけたほうがいいのかも知れない。

引用文献リストでDOIを非表示にする

ISSNはDOIは、文献のグローバルな個体番号のようなもので、例えばDOIを

dx.doi.org/

に続けて打ち込むだけで論文URLに飛べる、便利なものです。

しかしDOIやISSNを論文の引用文献から消せないかと思っていましたら、方法が見つかりました:

tex.stackexchange.com

たとえばURLを隠す場合。bstファイルを新しく作ります: plainnat.bstファイルを作業ディレクトリにコピーし、それをテキストエディタで開きます。 そして

FUNCTION {format.url}
{ url empty$
    { "" }
    { URLのフォーマットを宣言する部分 }
  if$
}

となっている部分を

FUNCTION {format.url}
{ url empty$
    { "" }
    { "" }
  if$
}

と書き換えればおしまい。DOIについても、FUNCTIONの部分からDOIのフォーマット定義を消してしまえばよいだけです。

もしものときのため、この作業は、あくまでbstファイルをコピーしたうえで行なうようにしましょう。

水素水で営利を追求する企業への不買

非常に良いエントリーを見つけました。

金儲けのために水素水販売に手を出した8つの大手企業 | netgeek

私は、伊藤園PanasonicSharpなど、消費者を騙して利潤を得る企業の商品を購入しません。また、他者から何か物品の購入アドバイスを受けたら、これらの企業の商品を決して勸めないことにします。

複数の数式を引用したい

複数の数式をLaTeX内で引用・表示したい場合はどうすればよいか。

いま、4つの式A,B,C,Dを別個の

{equation}

環境で表示していて、A,B,C,Dをいっきに引用しようと思ったら、詰みました。

で、調べてみると素晴らしいパッケージが。

その名もCleveref CTAN: Package cleveref

\usepackage{cleveref}

でインクルードして

\Crefrange{A}{D}

とすると、(たとえば)こんな感じ(数式Aが、数式7に相当します): f:id:lambtani:20160426194605p:plain

かしこい。マニュアルを読んでみると、もう少し(いやもっと)いろいろできそう。

数式のあるパラグラフでも行番号を表示させたい

LaTeXでは、lineno.styというスタイルファイルが用意されていて、自動的に・システマティックに、行番号を振ってくれます。

CTANはこちら: CTAN: tex-archive/macros/latex/contrib/lineno

これを作業用ディレクトリに置いて、\usepackage{linenumbers}でインクルードすればおしまいです。

しかしこのままでは問題があります。なんと、数式を含むようなパラグラフには行番号が振られない、というバグ?

これではレビュアーにフラストレーションを与えてしまう。ということで

\newcommand*\patchAmsMathEnvironmentForLineno[1]{%
  \expandafter\let\csname old#1\expandafter\endcsname\csname #1\endcsname
  \expandafter\let\csname oldend#1\expandafter\endcsname\csname end#1\endcsname
  \renewenvironment{#1}%
     {\linenomath\csname old#1\endcsname}%
     {\csname oldend#1\endcsname\endlinenomath}}% 
\newcommand*\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno[1]{%
  \patchAmsMathEnvironmentForLineno{#1}%
  \patchAmsMathEnvironmentForLineno{#1*}}%
\AtBeginDocument{%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{equation}%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{align}%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{flalign}%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{alignat}%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{gather}%
\patchBothAmsMathEnvironmentsForLineno{multline}%
}
\linenumbers

をプリアンブルに書けばよいようです。なお、\usepackage{amsmath}でamsmathスタイルをインクルードするのも忘れずに。

MacBook Pro (2010 mid)のカーネルパニック

Mac Book Proを2011年の春から使っているのですが、(いま思うと)OSをMavericksにアップデートして以来、頻繁にKernel Panicを起こすようになりました。

プレビューアプリやGoogleChromeを使っているときに、画面を切り替えたり、スワイプすると、この症状が起こる、という経験則はありましたが、修理に出しても改善されず。途方に暮れておりました。

これはとても心臓に悪いんです。データが吹っ飛ぶのではないかとか、もう起動しなくなるのではないかとか、祈りながら再起動するMBPを見守ること、100回は超えたでしょう。

そして最近、その症状が猛烈に悪化してきて、どうにかならんもんかと、情弱なりにクラッシュリポートの解読を決意。

すると。

Panic Report

panic(cpu 2 caller 0xffffff7f9da27bd5): "GPU Panic: [] 3 3 7f 0 0 0 0 3 : NVRM[0/1:0:0]: Read Error 0x00000100: CFG 0xffffffff 0xffffffff 0xffffffff, BAR0 0xd2000000 0xffffff9136c9d000 0x0a5480a2, D0, P3/4\n"@/Library/Caches/com.apple.xbs/Sources/AppleGraphicsControl/AppleGraphicsControl-3.12.6/src/AppleMuxControl/kext/GPUPanic.cpp:127

・・・ん?GPU Panic?

ということはディスプレイの問題?どういうこと?ソフトウェアの問題ではなくて?ということでググってみると、同様の症状についてのレポートが出るわ出るわ。。

そして辿り着いたは、こちら。

Macbook Mid 2010 GPUパニックについて | Apple サポートコミュニティ

これや。

残念ながら、無償修理期間が終わっている…数年たらずでこのプログラムを終了させんなよ!という不満はあれど、どうも、このモデルのMBPでは、グラフィックスを、開いているアプリに応じてIntel統合版とNVIDIAとを自動的に切り替えるシステムが採用されているようです。

ははあ。それで、表示アプリを切り替えると、カーネルパニック起こしていたのですね。納得。

さて、それではそのようなダイナミックなスイッチを制御してしまえばよい。そこで、このアプリを淹れてみました。

gfxCardStatus by cody krieger

gfxCardStatus。起動すると右上にアイコンが現れ、制御が可能になります。

f:id:lambtani:20160220173309p:plain

これで「Dynamic Switching」を「Integrated Only」、すなわちIntelのみにしてしまうのです。

すると、アプリごとにGPUを切り替えるという(無駄な)動作を抑えることができます。これでしばらく経過を見守りましょう。

論文を書きたい人のための漫画

新年が明けましたね。個人的には、リ◯ェクト通知がいくつかあって、テンションの低い新年です。

リジェクトというのは出版までに経験することの多いつらい経験です。これにより出版は阻まれます。 僕は今回のいくつかのリジェクトにおいては、いずれもレフェリーは好意的(寄り)でした。エディターが強い門番でした。

f:id:lambtani:20160125234310j:plain

gatekeeperはたくさんいます。時には共著者がそうなる、という話も耳にします。しかし、出版を阻む、もっと大きなファクターがあります。

この門番をパスしないと、出版にはこぎつけられない、その壁とは。そう、著者です。書かないと論文は世には出ないのです。 この当たり前の、前提とも言える、揺るぎない、門番。しかし、それでいて、最も突破困難な門番、それが、著者自身による執筆です。

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書) | ポール.J・シルヴィア, 高橋 さきの | 本 | Amazon.co.jp

ポール・シルヴィアさんは言いました。多くの研究者は、論文を書けないのではない。書かない。そして、その書かない言い訳を探すこともある、と。その言い訳とは、

  • 時間がとれない
  • もう少し分析しないと、論文読まないと
  • 新しい椅子/PCが必要だ
  • インスピレーションが降りてこない、気分が乗ってこない

なるほど。さもありなん。

そう、僕が思うに、論文を書く・書かないというのは、多かれ少なかれ精神的なハードルの問題です。時間のマネジメントとか、研究上の結果がそれなりに出ている、というベースラインの部分はあれど。しかし、「気持ちの問題」なんて言うと、サッカーの試合解説における精神論「キモチ ミセテクレマシタネー」のようなもので、技術の向上や、勝利(=アクセプト)へのきっかけには程遠い。

論文を書くための精神的ハードルを詳細に分析する上では、上に挙げた「できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか」に敵う名著はないのですが、研究者以外の目線から執筆モチベーションをあげるマンガを、教えていただきました。

takehiko-i-hayashi.hatenablog.com

の中で紹介されている、東村アキコさんの『かくかくしかじか』。

www.amazon.co.jp

ネタバレをせずに説明しましょう。この漫画は、漫画家である作者自身が、その絵の師匠である『先生』との関係を綴った、エッセイ漫画。 先生の言葉はいつも一貫している。

『描け』

そう、絵を描くには筆を執るしかないのです。たとえ、時間がなくとも。自分の題材・腕が拙くとも。椅子が堅くて痛くとも。 インスピレーションがなくとも。気分が乗らなくとも。

論文も同じ。とにかく

『書く』。

たとえ「時間がなくとも、自分の題材・腕が拙くとも、椅子が堅くて痛くとも、インスピレーションがなくとも、気分が乗らなくとも」やるコト、を人は何と呼ぶでしょう?

それは習慣。たとえ上の「」内のコンディションがすべて満たされていてもご飯は食べるし、寝るし、サッカーはする。

論文を書く習慣をつける。

すべての途上目的はこれに向けられていると言っていいはずです。ラボに毎日いくのも。先生と議論するのも。学会発表するのも。解析を進めるのも。習慣を強化するためのプロセスだと思いましょう。

だから、一夜漬けで何かをやるのはよくない。習慣にならないから。

これに関しては、僕は父からよい教育を受けました。父は、学年でも成績順位のそうとう下だった僕にも、「勉強しろ」とは言いませんでした。 そうではなく、常に彼は言いました。

「勉強する習慣を身に付けろ」

なるほど、なるほど。中学の頃は意味が不明だったその言葉でも、大学受験間近になって、僕はその重要性を理解しました。 ぼくは高校入学当初、一日1時間勉強の習慣を獲得しました。高2に上がる頃には、3時間になっていました。 そして最終的には平日6時間+休日10時間の勉強の習慣を身に着けていました。

「論文を書く習慣を身に付けるべし」

この漫画をはじめて読んだのは、たしか2015年の5月ごろ。それまで僕が投稿した経験のある論文数は、2本。それから、僕が投稿した論文は4本(そしてまだアクセプトはない。険しい道であることよ)。

確かにアクセプトはないが、この漫画を読んで、何かが突き動かされたのは間違いないでしょう。書くために読んで下さい。たぶん、ホットな論文を読むよりも大事。ホットな、あるいはキーとなる論文は、書いている段階で見つけるものだから。