Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

2013-01-01から1年間の記事一覧

In memory of Bill Hamilton

Dieter Ebertという著名なホストパラサイトの研究者のウェブサイトに、ハミルトンとの思い出が綴られたページを見つけました。http://www.evolution.unibas.ch/hamilton/index.htmこれほどまでにハミルトンの写真が美しく掲載されたウェブサイトを見たことが…

出版

論文が出版されました。http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040580913001093と思ったらびっくり仰天。姓名の順序が逆です。急いでエルゼビアに講義し、指導教官にも相談をしました。 結局、チーフエディターとエディターたちに丁重にメール…

繁殖価

Taylor, P.D. (1990) Allele frequency change in a class-structured population, American Naturalist 135, 95-106Fisherが(優生学への傾倒の帰結として)提唱した繁殖価という概念は、テキストで習うぶんにはとても簡単です。 当該の遺伝子は世代を渡っ…

ウェブサイト

ウェブサイトを暫定的に作りました。細かいデザインなどは、微調整が必要です。あと、全体的にもう少しフォントサイズをあげる必要があるかも。http://lambtani.wix.com/lamblamblambtani

読了

Parasite infection and host group size: a meta-analytical review http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23425516寄生者の、個体あたりの感染数(intensity; I)、感染率(prevalence; P)、多様性(richness; R)とをキーパラメータとして、グループサイ…

協力

Rodrigues, A. M. M., and A. Gardner. 2012. Evolution of helping and harming in heterogeneous populations. Evolution 66, 2065-2079.友人の論文です。ヨークで血縁選択の話をしていたら「この手法、好きだ!」といって話しかけてきてくれたのです。北大…

別刷

ようやく、モンペリエにて、power outlet(電源)とwi-fi(フランス語では「ウィーフィ」という)とを提供している喫茶店を発見しました。雰囲気もとてもいいし、週末はここで過ごすことに決定。*** 今日は、とあるパリの研究者に別刷り請求を送りました…

未読

今週・先週にかけてななめ読みした論文。 Plant mating system transitions drive the macroevolution of defense strategies. 植物のもつ誘導防御には、構成的(常に発現)なものと、誘導的(襲われた時にだけ発現)なものとがあり、その遺伝的な基盤の解明…

共同

Robert Triversがこんな本を書いていたのですね。 The folly of fools: The logic of deceit and self-deception in human lifeThe Folly of Fools: The Logic of Deceit and Self-Deception in Human Life作者: Robert Trivers出版社/メーカー: Basic Books…

読了

Rousset F. & Lion S. (2011) Much ado about nothing: Nowak et al.'s charge against inclusive fitness theory. Journal of evolutionary Biology. 24(6): 1386-1392.読んでいます。すごい。。。これはとんでもなく攻撃的な論文で、笑いがこみあげるくら…

読了

Oxford Commaとは "A, B, and C"という書き方を言う。Oxford Commaを用いない書き方は、 "A, B and C"という書き方に相当する。なるほど。 –Lehmann & Rousset (2010) Phil. Trans. Roy. Soc. B 生活史と人口動態は、いかに協力行動を促進するか抑制するか ?…

飲酒

フランスといえばワインです。不法ながら、道端で飲んでいる人もいます。ビンをかついで。だいたいそういう人は目がうつろなのですが。今日は、Odysseumという、モンペリエで最も大きいショッピングセンターに自転車で行きました。 だいたい、ゲストハウスか…

エルゼビアへの投稿とMathType

数理的な論文を書く人、あるいはそうでない人にとっても、数式入力は簡単にできればそれに越したことはありません。 ぼくは普段、わけあってWordを使わざるを得ないのですが、そこへの数式挿入には、MathTypeというソフトウェアを用いています。このソフトの…

エルゼビアでpdfビルドのエラー

出版社エルゼビアは、EES(Elsevier Editorial System)という独特の投稿システムを採用しています。今回、新しく論文を投稿しようと思ったのですが、原稿ファイルや画像を送ろうとしたら、何度もエラーに見舞われて、5時間以上を無駄にしました。 その症状…

先週・今週で読んだ/これから読む論文たち

✓ Evolution of body condition-dependent dispersal in metapopulations (Bonte & de la Pena 2009)✓ Kin selection and natal dispersal in an age-structured population (Ronce, Gandon & Rousset 2000)✓ Analysis of disruptive selection in subdivide…

Symmetry study deemed a fraud

Symmetry study deemed a fraudNature Newsの記事で、ちょっとした話題になっていました。ことの始まりは、Triversが共同研究者と出版した、2005年の論文。 Brown, M. W., et al. (2005) Dance reveals symmetry especially in young men. Nature 438: 1148-…

GWの宿題

ゴールデンウィークは、勉強が捗るので好きです。・Steven A. Frank のNatural Selection Reviews, II~IIIを読む。・Peter D. Taylor の論文を読みあさる。・François Rousset 本をもう一度。・統計力学。さてさて。GW中に査読から返ってきそうで怖いな。

パラサイト・イヴ

パラサイト・イヴ (新潮文庫)作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/01/30メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 27回この商品を含むブログ (27件) を見る1995年は年明け、阪神大震災や地下鉄サリン事件で揺れる年に書かれた作品です。 当時はおそ…

もやしもん

もやしもん(1) (イブニングKC (106))作者: 石川雅之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/05/23メディア: コミック購入: 16人 クリック: 846回この商品を含むブログ (1112件) を見るめっちゃ面白い!!画風も作調もとても好き。細菌が目に見える主人公と、細菌…

論文のディスカッション

論文のディスカッションを書くのにはいつも苦労します。僕は、酒井聡樹さんの「これから論文を書く若者のために」という本で論文の書き方を学びました。これから論文を書く若者のために 大改訂増補版作者: 酒井聡樹出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2006/04…

参照・利用・共有

「研究の参考にしているサイト集」http://dlvr.it/36MvtJ というエントリーを発見しました。こういう、省エネな情報提供が一番役に立ちます。ありがとうございます。で、僕自身はどういうサイトを参照利用しているか整理し、ブックマークの整理に役立てたい…

移動分散の進化論 生態学会

今年の生態学会の会場は、静岡はグランシップ、静岡駅からひと駅という良アクセス。 二日目に移動分散の進化論という企画集会を開き、発表を行ないました。もともと、演者の方々には「お一人30分で」という形でお願いしていたのですが、お二方とも45分く…

申請書

学振の申請書を書いてもうすぐ1年が経とうとしています。僕があのときに「こうしておけばよかった」と強く思うこと、そして強く心がけたことを書こうと思います。一応、DC1を面接免除で通ったので、これは少なくとも「論外な方法」ではなかった、とおもいま…

二次形式

先日、KSY先生から次のような質問を受けた: 二次関数y=f(x)=ax^2+bx+cとしたとき、aは傾きの変化、つまり曲率のようなものを表していて、cはf(0)つまり切片を表すよね。じゃあbの独立的な幾何的な意味は? 当然、bは頂点の座標を基底するものだが、平方完成…

モース理論

挫折した。モース理論―多様体上の解析学とトポロジーとの関連 M.SpivakとR.Wellsによってノートされた講義録に基づく POD版作者: J.ミルナー,J. Milnor,志賀浩二出版社/メーカー: 吉岡書店発売日: 2004/11メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブロ…

多様体

多様体(manifold)というのが、数学、とくに幾何学で多く登場する。いったい何か。一言で述べるなら、地図の描かれた図形である。地図とは何か。メルカトル図法の地図などを思い出してほしい。あれは、(どこを規準、つまり原点、にとってもいいが)座標を…

凸解析

凸解析と最適化理論 (数理情報科学シリーズ)作者: 田中謙輔出版社/メーカー: 牧野書店発売日: 1994/09メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見る こんな本を読み始めました。至近的に必要な素養だからですが。 まだ前半しか…

昨日の凸

できました。いや精確には、母校の友人に一瞬で解かれてしまいましたw くやしい。 で、証明なんですが…示したいのはこれ。 ある区間(a,b)(⊂(0,1))内のある点x_0において凸でないとしよう。 ここでφ(a)=φ(b)=0、φ(x_0)=1としても一般性は失われない。a,b…

凸計画問題において、局所最適解は大域最適解である。これは実はとても強い定理である。で、今考えているのは、この命題: φ:(0,1)上の有界な連続関数であって、次を満たす:このとき、φは(0,1)上で凸である。帰納法と演繹から、平均の取り方を2値からN値に…

移動分散にかかる血縁選択

E. V., Bitume et al. (Ecology Letters 2013): Density and genetic relatedness increase dispersal distance in a subsocial organism. ハダニにおいて、局所集団において"血縁度"と密度が高いと、移動分散距離が大きくなる、という論文。 回廊を設けて、…