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Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

読了

Rousset F. & Lion S. (2011) Much ado about nothing: Nowak et al.'s charge against inclusive fitness theory. Journal of evolutionary Biology. 24(6): 1386-1392.

読んでいます。すごい。。。これはとんでもなく攻撃的な論文で、笑いがこみあげるくらいです。
2010年のNowakたちのNature論文を猛烈に批判しています。特に、
「あんな論文がhigh-profileなジャーナルに掲載されるというのは、彼らの結果の科学的な重要性よりもむしろ、いかに彼らがレトリックに長けているか、というのを如実に表しているにすぎない」。
それは一理あるかも知れません。Maynard Smithもそうやけど、言い得て妙な表現やネーミングには大きな才能があるように感じました。
しかしまー、論文検索の利便性からいうと、あんまり一般的でキャッチーなタイトルをつけた論文はやめてほしいところ。

ちなみに、Much ado about nothingとは、シェイクスピアの喜劇のタイトルだそうです。日本語では、から騒ぎ、と言うようです。
言い得て妙とはまさにこのこと。Nowakらが数学的にも生物学的にも何一つ新しいことのない結果を提示して騒ぎを起こしていることに対する、レトリックな皮肉でしょうね。

Séb Lionとは先日議論をしましたが、頭がキレッキレで、人柄もよい、気さくな人物です。Roussetにも会いに行きたいのですが、いろんな噂が飛び交っていて、なかなかお近づきになれません(チキンです)。

以下はきちんとは読んでいない。

Jessica Purcell, Alan Brelsford, Leticia Avilés (JTB, 2012) Co-evolution between sociality and dispersal: The role of synergistic cooperative benefits.

個体ベースモデルを用いて、協力行動と移動分散がどう進化するかを検証したもの。協力性と移住傾向とに負の相関があれば、協力行動は進化しやすいとのこと。やっぱり、解析的に結果を示せないとこれらの研究はメッセージ性が薄いなあ。ということで引用文献などを参考にさせてもらいます。

Guadalupe. C., Rodríguez-Gironés, Miguel A., & Moya-Laraño, Jordi (Func. Ecol. 2012) Sociality level correlates with dispersal ability in spiders.
タイトルを読めばわかるとおり。これは必読。

Leticia Avilés & Gyan Harwood (Ethology, 2012) A Quantitative Index of Sociality and Its Application to Group-Living Spiders and Other Social Organisms.
単独生活、亜社会性、社会性、真社会性の指標を定義し、それをクモさんに適用したというもの。面白そう。Avilésさんって、要注目かも。