僕はフランスの研究室に在籍している時、幸か不幸か、論文をプリントアウトできない環境に置かれました。それでは論文が読めないのではないか?
と結論付けるのは、あまりの順応性の低さと言えます。じゃあ、プリントアウトせずに読めるようになればよいのです。
多くの方々はラップトップを(も)用いて研究に取り組まれていることと思います。僕の場合はMacBook ProとAirを併用し、かつiPadを用いて読み物をしています。
インターネット環境に置かれていることを前提として言わせて頂くと、論文はプリントアウトして読むよりも、電子媒体上でそのまま読んだほうが、何十倍もオトクです。
1. すぐに読める
PDFとしてダウンロードしてすぐ読んで内容を把握してしまえばよいのです。アブストだけ読めばいい論文、というのも現実的には多く存在するからです。
2. いくらでも書き込める、すぐに調べられる
悪筆な人でも、なんらかのPDFビュアーを用いれば、すぐにきれいなメモが取れます。だいたいのOSには辞書機能が備わっているわけですから、「辞書で調べる」「読む」という作業を一貫化させることが可能です。
3. 読む速度があがる:読める本数が増える
読む速度が格段に上がります。具体的には、何本もナナメ読みする場合には、いちいちプリントアウトするまでもなく一気に読めてしまうので、一本あたりにかける時間が短くなります。
論文を速く読めるようになるコツは、数をこなすことだけです。それ以外にはありません。一本あたりにかける時間を「減らせる」ことで、読める本数が原理的に増えます。内容が完全には理解できずに読み終えてしまった場合にも、もう一度読み直すことがすぐ可能になります*1。
4. プリントアウトする手間が省ける
プリンターで印刷が完了するまでには多くのステップが存在しますが、それらをすべてスキップできます。プリンターに到達するまでの労力も時間も、トラブルも、紙補充も、紙ストックの補充も、プリントアウトに必要なインク類含むプリンター内部の部品に関するメンテナンスも、全てです。
5. クラウド化:データの所持方法
PDFでの保存に徹することで、引っ越ししてからも論文を所持可能となります。僕は「読んだ論文」はすべてevernote、「読んでいる論文・これから読む論文」はdropboxにすべて突っ込んでいます。紙媒体での保持は考えられません。劣化はするは、重いは邪魔だはで、いいとこなしです。
6. 地球にやさしい
ゴミを減らしましょう。
しかし、具体的にはどうやってパソコン画面上で読めるようになるか。
慣れです。練習をしましょう。
*1:同じ論文を二度読みするのが「愚行」とは全く思えません