Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

再投稿可のエディター・リジェクト

エディター・リジェクトとは、ジャーナルごとに数人わりあてられている編集者(エディター)が、論文掲載を監査するプロセスである「査読」の前に、著者たちに「掲載不可」と告げることを指します。

とらえ方は千差万別ですが、エディター・リジェクトは精神的にも研究的にも、きついものがあると思います。エディター・リジェクトは、早ければ10日程度で手元に届くので、(リジェクトは「もうその研究に関する原稿は投稿してくるな」ということなので)さっさと次の投稿先を探せるというメリットはあるのですが、価値を初めから否定された気になるというのと、「じゃあどうすれば良くなるか」という具体的提案のないまま、次の投稿先を考えねばならないのです。改善されないまま、「だめだ」と言われた原稿を投稿せざるを得ないとなると、次の投稿先でもリジェクトされる可能性があります。

で、今回ぼくも、はじめてエディター・リジェクトを喰らいました。どうもありがとうございます。しかしここで興味深かったのが…

「再投稿可能のエディター・リジェクト」

しかも

匿名の副エディターからの、インテンシブなコメントつき

再投稿可能というのは、「だめだけど、もう一回みてやるよ」ぐらいの意味です。

副エディターというのは、エディターの次にエライ(=原稿の掲載可否に関する決定権を持っている)人のことです。その副エディターから、けっこうインテンシブなコメントが届きまして、それを吟味しているところです。

数理モデルの仮定と、結果の解釈についてなかなか辛辣な言葉も書いてありまして、届いた時はそれはもう、心が折れそうになりました。

しかし、落ち着いて読み返してみると、アレッ、意外に答えられそう…という気がしてくるものです。

副エディターから厳しいコメントがきた割には再投稿可能というのは、ズルいというか、コンコルドの誤謬に誘われている危険な感じもするのですが、原稿の価値自体は認めてくれたとかんがえることにしましょう…。