読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

論文の謝辞で気をつけること:無難な書き方

論文の最後のパートでは『謝辞』を表明します。論文に対して実質的に貢献は無いが、個人的な補助や、資金面のサポートを助成金によって受けた場合には、謝辞に表明します。

でも案外、謝辞を書くのって難しいです。こんなサービスすらあります。

謝辞ジェネレータ

*1

さて、論文の謝辞を表明するにあたって、すこし注意せねばならない点があります。これってどこまでアカデミアで共有された概念なのかは分からないのですが、(存在しない)利益相反などを匂わせないためにも、すこし慎重になる必要があります。

以下は、僕が「しないことリスト」でもありますが、それを「しない」「目的」を明確にするような書き方を心がけたいと思います。

1. 同列に並べるのであれば、アルファベット順で。

日本語なが五十音順。たとえば「えらいひと」を先に書いてはいけません。たとえば

The authors are grateful to G, B, C, F, D, E, and A for comments on the previous versions of the manuscript.

などとはしない。たとえ、Gさんが一番立場が上の人で、ソレ以外が学生であっても。同列なのですから。論文の謝辞において、(存在しない)背後の関係を匂わせる書き方をしてはなりません。 ステレオタイプを生み出す可能性があります。したがって、

The authors are grateful to A, B, C, D, E, F, and G for comments on the previous versions of the manuscript.

としましょう。無難ですね。

2. エディターへの謝辞は…?

ジャーナルによっては、エディターの名前を明記した謝辞を禁止しています*2。エディターはあくまで中立的な立場ということを鑑みてでしょうか。いずれにせよ、(記名つき)レフェリーにしろエディターにしろ、名前を出さないほうが無難かもしれません。

3. 承諾を得る

過去に僕もやってしまっていたのですが、このエントリを読み、心を入れ替えました。

https://sociobiology.wordpress.com/2015/02/10/no-you-cant-acknowledge-me-in-your-paper-without-asking/

No unauthorized acknowledgements!

I don’t understand why anyone would do this, but it is a really bad idea. Check with the people you acknowledge and be sure they are all right with it. Only acknowledge people who actually have helped with the work.

Grrr.

事の経緯は2年前にとある群淘汰主義者たちから出版されたNature論文の謝辞なんですが…どうもStrassmannさんは、了承もなく謝辞で名前を使われ、あたかもその論文に対して好意的であるかのような印象操作を行われた

ということで、謝辞で名前に言及するのであれば、事前に了承を得ておくのが無難です。メールでコメントをもらったなら“Please let me show my gratitude in Acknowledgement”などと添えて返事するのがよいでしょう。

僕はいま書いている論文の謝辞では、

  • どのような補助を得たか(コメント、解釈についての議論、などなど)ということを明確に
  • 了承を得ているか

などを表明することにしています。こんな感じ(個人情報につき、ここでは名前は伏せます)。

The author is grateful to A and B for discussion, and to C and D for comments that enriched the interpretation of the results as well as for suggestions to improve the clarity. The author declares that I am expressing my gratitude here in pre-agreement with all the colleagues above. The comments provided by Associate Editor and two annonymous reviewers greatly improved the clarity of the manuscript.

無難ですね。

*1:これでジェネレートされた感謝の文が、本当に謝意の表明たるものなのかはさておき

*2:British Ecological Society系のジャーナルは軒並みそうであったような気がする。たとえばJournal of Animal Ecology

Author Guidelines Page - Journal of Animal Ecology

アメリカでの銀行口座の開設

結局、アメリカでも銀行口座を開設しました。開設したのは年明け前なんですけど、とてもカンタンだったので、方法をご紹介します。

まずは社会保障番号を手に入れよう

通称Social Security Number、 SSN。日本でいうマイナンバーです。これを獲得するためには、

  • 居住証明(レンタルの契約書)
  • オファーレター(財源証明)
  • DS2019

という三種の神器が必要です。大学最寄りのSSNオフィスで申請しましょう。申請から獲得にはだいたい10日ほどかかりました。

銀行を決めよう

メガバンクの優勢関係にはかなり地域差があるようです。

  • Wells Fargo
  • Chase
  • Bank of America

メガバンクですが、ぼくは友人たちからのオススメもあり、ATMが目立つWells Fargoに決めました。

銀行へ赴く

銀行に行ったら、案内の人に「新しく口座を開設する」旨を伝えましょう:I’d like to create a new bank account

しばらくするとプライベートゾーンに案内されるので、Checking accountを作りたい旨を伝えます。これは当座預金口座と日本では呼ばれますが、ここアメリカでは家賃の支払いは小切手を用いるのが主流なので、当座預金口座を作ります。

そして他愛のない話をすすめるうちに住所やSSNを要求されます。僕はiPhoneにSSNの画像を保存しておいて、それを見せただけで済ませられました。持ち歩くものではないので*1

あとはwebアカウントを作ったりして、終了。1時間ほどで口座ができて、一時的なカードをもらえました。そして1週間後には、家にdebitカードが届けられていました。

さてここアメリカはdebitカードがあればだいたいの店で支払いを行なうことができるので本当に便利です。現金は基本的に持ち歩かないようになってしまいました。もちろん、クレジットカードを持ち歩く必要が出て来るわけですが、日本でもそれは同じ。現金は持ち歩かなくても良いシステムに移行してほしいですね。

さて、Wells FargoはiOSアプリも提供されていて、それで常にBalance(残高)がチェックできます。ATMでお金を降ろしたらメールが届く設定にもできるので、安心ですね。

*1:日本ではマイナンバー原本を持ち歩く必要があるのではないか。もしそうなら本当に狂気の沙汰としか思えない。ここアメリカでは「絶対にSSNを持ち歩かないように」と厳しく教育されている。

J1ビザへの道:空港編

無事にカリフォルニアに到着したことだし、最後の関門、空港で行なうことをまとめておきます。

今回、僕は 関空 → バンクーバー → サンフランシスコ という旅程を組みました。すると、カナダとアメリカの協定により、入国審査はバンクーバーで行われることになります。

関空バンクーバー間は10時間足らずで、そしてバンクーバー〜サンフランシスコは2時間程度でアクセス可能ですので、成田〜サンフランシスコの直行便を使うのに次ぐアクセスの良さだと思います。

バンクーバーでは、ビザ面接で取られたのと同様の指紋検査が行われるのと、DS2019の呈示が求められます。検査員はわりとつっけんどんではあるのですが、スムースにことは進みます。

また、手荷物検査では、必ず “I have a visa with me”といったことを言っておかないといけないですが*1、それ以上の労苦はありません。普通にしていれば普通に終わります。

バンクーバー空港はわりと大きいですし食べ物屋サンも豊富にあります(もちろんすべてチェーンですが)。もし防寒具が欲しいなら、カナダの登山用品店で購入するとよいと思います。

バンクーバー空港の国際ターミナル自体は大きくないので、そんなに迷うこともありませんでした。トロントでも似たような感じだと友人は言っておりました。

とにかく大事なのはDS2019とパスポートを肌身離さず携帯しておくこと、英語できちんとコミュニケーションをとることです。空港ではそれくらい。イージーモードです。

*1:関空から飛行機に乗る前にも往復券がないなら「Visaを持っていますので」といったことを伝えねばなりません

渡航前に麻疹・風疹の予防接種

関西国際空港での麻疹問題。

yomidr.yomiuri.co.jp

何を隠そう僕は関空から飛び立つのです。これは不安。ちょっと事前に調べてみると…

  • 麻疹は平成生まれ以降の世代では、二度の予防接種が実施されている(通称「一期」、「二期」)
  • 感染力が非常に強く、感染者と同室にいるだけでも感染してしまう
  • 基本再生産数 $$R_0$$ はなんと15,6という話もある*1。それだけ感染力が強い。いやm強いどころではない。最強クラス
  • 発症すると大人では特に重症化しやすい
  • 風疹は、「三日麻疹」と呼ばれる
  • 特に、妊婦が感染すると非常に母子ともに危険で、特に胎児は先天性麻疹症候群を患う恐れがある

とにかくアブナイ。熱は出るわ咳は出るわ。しかし厄介なのが、まず発熱してすぐに収まって、また発熱するというところ。すぐに収まるため、風邪と誤診されやすいそうで。

でまあそんなアブナイ病気をアメリカで発症すると個体的にも社会的にも死んでしまうので、予防接種をせねばなるまい、と。

…そう、やんわり、向こうの大学から連絡を頂戴した。

ということで朝から病院探し。これ、ナメてはいけません。ワクチンがある病院、むっちゃ限られてる。福岡市医師会のウェブサイトからアクセスして、西区の、どの病院で風疹を取り扱っているかを調べると…

めっちゃ少ない!*2

予防接種登録医療機関一覧(西区)

朝から3,4件くらい電話してみるも、在庫がなかったり、そもそも成人には実施していなかったりで右往左往。ようやく見つけたは、ひとつのこども病院。風疹と麻疹の混合ワクチンならば在庫があると聞いて、さっそくそちらへ。

こども病院ということもあって、待合室には子連れの家族が散見された。

で、診療室に入ると、院長がすこし面食らっていた。

「抗体、ありませんでしたかー(笑)」

「いや、わからないんですけど、念のため、です」

という会話で3秒で終了。

ちなみに保険適用外なので9000円を自腹で払いました。痛いな…。

でも自治体によっては、女性が無償で受けられたりもすることもあるらしい。

名古屋市:風しん予防接種の費用助成について(暮らしの情報)

名古屋市はそうらしい。いいなあ。

*1:つまり1人の感染患者がいたら、そこから新たに15人近くの感染者を生み出すということ

*2:博多や姪浜にはそれなりにあると思う。九大が田舎すぎるのである。。。

J1ビザへの道2:面接

前回に引き続いて。面接についてのTIPSを紹介します。これまた、アメリカ大使館のウェブサイトに詳しく紹介されてはいるのですが、あらためて注意点を。

荷物は少なく

持ち込める手荷物は基本的に面接に必要な書類だけです。ゲートにて、荷物は没収されます。また、預けられる電子機器は携帯電話だけです。もしもそれ以外の電子機器を持っている場合は、予め駅のコインロッカーに預けましょう。

福岡の場合は、大濠公園駅唐人町駅のロッカーが便利。

subway.city.fukuoka.lg.jp

僕はロッカーの数が多い唐人町を利用しました。歩行距離はどちらの駅からでもあまり変わりません。

アクセス

Google マップ

唐人町駅からは歩いて10分もかからないくらい。閑静な住宅街を歩いて行くと、おもむろに警察官が警備をしているのに出くわすと思います。その先に大使館はあります。 到着してからはしばらく待ちますが、暇つぶし道具に、文庫本などがあるとよいと思います。

面接まで

ゲートに入ってすぐ荷物を預け、書類だけを携えることになります。それから面接はひとりひとり、待合室の中で行われます。つまりけっこうオープン。名前を呼ばれたら受付へ行きましょう。

なお、待合室には自販機や写真撮影機はあります。

受付

書類のチェックだけで終わります。僕の1人前のひとは書類不備で追加書類の提出を要求されていました…。前日に電話で言われたはずなんですが、そういう不備も起こりうるので要注意!

面接

僕が聞かれた内容は

  • 仕事は?(Researcher)
  • 分野は?(Evolutionary Biology)
  • 福岡ではどこで働いているのか?(Kyushu University)
  • 何年福岡に住んだのか?(5年)
  • アメリカにはどれくらい住むのか?(2年)

といった感じ。もちろんもっと詳しく返答しましたが、そのあとに Your visa is proved, and you're going to receive it in one week といったようなことを言われて終了。笑顔で帰宅!

J1ビザへの道1:書類

申請していたJ1ビザ(交流者用のビザ)が届きました。

その手続はさんざんweb上でまとめられているし、何より大使館ウェブサイトに非常にわかりやすくまとめられているのですが、J1ビザの場合に「必要な」書類(2016年8月31日現在)は以下のとおり(詳細は下に記します):

  • DS-160
  • DS2019
  • SEVIS支払証明書
  • 財務証明
  • 面接予約確認書
  • 証明写真(背景白)

DS-160

所要時間:2時間以上? 所要経費:180ドル(Jの場合)

オンラインで申請した結果に発行されるものです。DS-160は渡航者の個人情報と思って差し支えありません。

米国ビザ申請 | DS-160 情報 - 日本 (日本語)

このオンライン申請、難儀なのが

  1. すぐタイムアウトしてしまう
  2. めっちゃ記入事項が多い
  3. 要求されている内容が意味不明だったりする

という点。DS-160のアカウントIDは発行されたらただちにメモしましょう。メールでのリマインダはないし、失効はいとも容易いです。

なお、このフォームを終わらせるには、下のDS-2019が必要なのと、背景が白の証明写真が必要です(要求はわりと厳しいので)。

米国ビザ申請 | 写真および指紋 - 日本 (日本語)

DS-2019

これはJビザを申請するときに、「相手方がきちんと受け入れてくれますよ」ということを保証するための書類です。 基本的には郵送されてきた原本しか効力を持ちません。大事に保管しましょう。面接には持参します*1

なお、このフォームには、到着後に記入してもらう項目があります。たとえば一時帰国などをおこなって「アメリカ不在」となった場合にも、きちんと申請者のアメリカでの立場が確立されていて、心配はないですよ、ということを主張できるようになります。当然、受け入れ先機関からサインを貰わねばなりません。サインには思わぬ時間がかかることもあるようですので、到着後すみやかに貰いに行くようにします(といいつつ僕はまだ渡航すらしていない)。

SEVIS支払証明書

これはDS-160を申請するときに伴うものです。いわばVISAを取得するために必要な経費と思えばよいでしょう。メールで領収書がもらえますので、PDFにして保存しておきましょう。面接にも持参。

財務証明

これはなかなかに厄介です。いろいろなパタンがあるかと思いますが、滞在中にどこからサポートをうけるかに依存します。

日本の機関から給与などを貰いながら渡航する場合には、銀行口座に十分な預金があるかどうかを英語で証明する必要があります。ひょっとすると機関に申請せねばならないケースもあるかも知れませんので、余裕をもって確認しておきましょう。

もし海外の機関から給与を受け取る場合は、その証明書は英語で書かれていることが多いでしょうから、それを提出すればOK。ポスドクの場合はオファーレターで事足ります。

面接予約確認書

必要経費:17600円

面接予約をおこなった時点で、メールにて受け取れます。面接の予約は17600円。高いですねえ。

証明写真

面接予約確認書に用いられる写真とは別に、面接にはビザ用の写真を持参せねばなりません。スマートなのは、焼きまししてくれる証明写真サービスを利用すること。カメラのキタムラで僕は済ませました。

これら一式をすべて面接で要求される(か、事前郵送する必要がある)のですが、ひとつでも欠けているとアウト。面接の予約からやりなおし。また、僕の場合は面接の前日に電話があり、追加必要書類を教えてもらえましたので、滞りなく面接まで進めました。

ついにドキドキの面接です。

*1:福岡や札幌の場合は、一週間前までに、所定のレターパックにて郵送。要確認

国際的な銀行口座を開設した

アメリカ渡航が迫っています。

別の国ですが、海外の友人から、

  • 渡航後のVISAの手続き
  • 家探し
  • 環境への順応
  • 銀行口座開設

といったことをやるのが相当にきつかった、と言われました。 なるほど、日本にいても大変なのに、海外でやるとなると言わずもがな。 ここはもう、できることは先にやっておこうということで、もっとも大変そうな、銀行口座の開設を行なうことにしました。

まずはインターネットで調べてみたところ、三菱UFJ銀行(Union Bank of Californiaと提携している)が便利という情報を得ました。たしかにカリフォルニアに行くなら便利そう。大学の目の前に支店があるみたいだし。

ということで口座開設に必要なプロセスを調べてみたところ…

  • UFJ銀行の口座を開設
  • その後、Union Bankの口座を開設

というステップが必要みたいでした。電話で聴いてみると、そのプロセスはパラレルには出来ないし部署が違うらしいので、スムーズにはいかないとのこと。3,4週間はかかるだろうと言われました。

それは困る…ギリギリだ。

で、先輩に相談してみたところ、Citibankを紹介してもらえました*1。サービス内容は割愛しますが、振替がインターネットから簡単にできるし、なんせセブン銀行とゆうちょ銀行でお金を下ろす手数料が(償還という形で)無料に。(ただし、満たすべき要件あり)

インターネットからも開設できるしそのほうが様々なサービスを享受できる反面、やはり時間がかかるとのことだったので、窓口に赴いて開設することにしました。

天神にはPrestiaの福岡支店があり、入店。想像とはちょっと異なる窓口で戸惑った。呼出番号がコールされたのでキョロキョロすると、対応してくださる方がブースへと案内してくれた。

そこで手続きをすすめ、詳細は割愛しますが、急ぎの事情を伝えると、なんと特例措置を敷いてくださりました。

ということで、即日で口座とキャッシュカード×2をゲット。二枚あるのは、一枚目は銀行カード。二枚目はアメリカ用のキャッシュカードという扱い。

ちょっと一安心。アメリカ渡航後もしばらくは口座維持手数料(2160円!これはちょっと高い)を払わないといけないけど(平均100万円以下の口座残高だとそうなるらしい)、まあなんとかやっていけそうで助かります。

*1:現、Prestia SMBC信託銀行