Life is Beautiful

主に進化生物学の理論のブログです。不定期更新予定。

国際学会で僕が心がけていること

国際的な学会でいかに自身の研究を面白く伝え、顔を覚えてもらえるか、というのは、アメリカやヨーロッパでは特に重視されていることのように思います。それをどのように活かすか。僕の直近の経験談から探ってみたいと思います。 まずは経験談から とても評…

論文内で「新奇性」をゴリ押しするのはちょっと、お下品

Novel Insights into Priority Claims:Cell Reporter http://www.cell.com/crosstalk/novel-insights-into-priority-claims 何かと話題になっているこの問題。以前にも、編集長が新奇性を判断してエディターリジェクトするのが良くないという記事 lambtani.h…

何月に論文を投稿すると掲載されやすいのか?

クリスマスホリデーのシーズンや、サマー・ホリデーシーズンになると、ふと考える。 いま投稿してもエディターは対応してくれないのではないか… いま投稿してもレビュアーは対応してくれないのではないか… いや、投稿数が少ない時期を狙ったほうが、チャンス…

知っておきたい誤謬7: homunculus fallacy(ホムンクルスの誤謬)

定義 原理上、無限に後退させることが可能な推論。 分類 形式的誤謬。 論理形式 Phenomenon X needs to be explained. Reason Y is given. Reason Y depends on phenomenon X. Homunculus Fallacy 説明 論理形式がやや分かりにくいが、終わりのないループに…

知っておきたい誤謬6: Masked man fallacy(覆面男の誤謬)

最初のおことわり 今回のポストはとても中途半端で散文的になってしまいました。査読をうけていないのがその一因です。 それでも公開するのに踏み切ったのは、意見や議論を受け付けたいという目的からです。 従って、このポストの内容を科学的弁論に採用する…

知っておきたい誤謬5: Ecological fallacy(シンプソンの誤謬・生態学的誤謬)

定義 部分的な集団同士を比較した時の平均的な傾向と、全体集団同士を比較したときの平均的な傾向とが、一致しないがために、 集団間の比較による(統計的な)推論が機能しないこと 分類 非形式的誤謬 背景・説明 Simpson’s paradox。名前は、「発見者」にち…

知っておきたい誤謬4: Circular reasoning(トートロジー・循環論法)

定義 仮定Xから結論Xを導くこと。 論理形式 X now holds true. Therefore, X holds true. 命題Aが成立すると仮定する。このとき仮定より、命題Aが成立する。 分類 形式的誤謬。 説明 Tautology、トートロジー。 推論の価値というのは、仮定Xとは別の結論Yを…

知っておきたい誤謬3: Naturalistic Fallacy(自然主義の誤謬)

定義 事実命題(X is Y)が真であることから、規範命題(X should be Y)が真である、と結論づけること。 あるいは事実判断から、価値判断を引き出すこと。 論理形式 X is (or is not) Y. Hence, X should (or should not) be Y. XはYである(ではない)。ゆ…

知っておきたい誤謬2:Amphibology (曖昧さに基づく論証)

定義 曖昧な定義に基づいた概念に基づいた推論のこと。Fallacy of ambiguityやamphibolyといった言い方もある。 分類 形式的誤謬の一つ。 論理形式 Claim X is made. Y is concluded based on an ambiguous understanding of X. https://www.logicallyfallac…

誤謬のカテゴリ

誤謬とは、論理的な推論上の誤りのことを指しますが、大雑把に言って、2つのカテゴリに別けられます: 論理的 誤謬 非形式的 誤謬 このカテゴリ分けは、形式的な記述が可能かどうかで分けただけなので、誤謬(に基づく論証=詭弁)を理解する上で本質的とい…

知っておきたい誤謬1: Argument from Hearsay (伝聞に基づく論証)

定義 他者からの伝え聞きのみを根拠として、命題の真偽の判断を行なうこと 論理形式 Person X said A is true. Therefore, (one should conclude or accept that) A is true. X氏が、命題Aは真だと述べた。故に、命題Aは真である(と結論づけるべきである)…

知っておきたい誤謬集

「知っておきたい誤謬集」概要とその目的 誤謬とは、推論の過程に誤りがあるために、推論そのものが正しくないことを言います。 推論とは、仮定から 結論を導くことです。 誤謬があるかぎり、仮定が正しいかどうかに関係なく、その推論は常に正…

論文の謝辞で気をつけること:無難な書き方

論文の最後のパートでは『謝辞』を表明します。論文に対して実質的に貢献は無いが、個人的な補助や、資金面のサポートを助成金によって受けた場合には、謝辞に表明します。 でも案外、謝辞を書くのって難しいです。こんなサービスすらあります。 謝辞ジェネ…

アメリカでの銀行口座の開設

結局、アメリカでも銀行口座を開設しました。開設したのは年明け前なんですけど、とてもカンタンだったので、方法をご紹介します。 まずは社会保障番号を手に入れよう 通称Social Security Number、 SSN。日本でいうマイナンバーです。これを獲得するために…

J1ビザへの道:空港編

無事にカリフォルニアに到着したことだし、最後の関門、空港で行なうことをまとめておきます。 今回、僕は 関空 → バンクーバー → サンフランシスコ という旅程を組みました。すると、カナダとアメリカの協定により、入国審査はバンクーバーで行われることに…

渡航前に麻疹・風疹の予防接種

関西国際空港での麻疹問題。 yomidr.yomiuri.co.jp 何を隠そう僕は関空から飛び立つのです。これは不安。ちょっと事前に調べてみると… 麻疹は平成生まれ以降の世代では、二度の予防接種が実施されている(通称「一期」、「二期」) 感染力が非常に強く、感染…

J1ビザへの道2:面接

前回に引き続いて。面接についてのTIPSを紹介します。これまた、アメリカ大使館のウェブサイトに詳しく紹介されてはいるのですが、あらためて注意点を。 荷物は少なく 持ち込める手荷物は基本的に面接に必要な書類だけです。ゲートにて、荷物は没収されます…

J1ビザへの道1:書類

申請していたJ1ビザ(交流者用のビザ)が届きました。 その手続はさんざんweb上でまとめられているし、何より大使館ウェブサイトに非常にわかりやすくまとめられているのですが、J1ビザの場合に「必要な」書類(2016年8月31日現在)は以下のとおり(詳細は下…

国際的な銀行口座を開設した

アメリカ渡航が迫っています。 別の国ですが、海外の友人から、 渡航後のVISAの手続き 家探し 環境への順応 銀行口座開設 といったことをやるのが相当にきつかった、と言われました。 なるほど、日本にいても大変なのに、海外でやるとなると言わずもがな。 …

真剣に取り組みたい人のための、モンテカルロ進化シミュレーション

C++勉強が進みます。今日はタカハトゲームの進化をシミュレートをしてみましょう。 タカハトゲームとは、強気に振る舞うか、弱気に振る舞うかというゲームだと考えて構いません。 タカ同士が出会うと、死闘を繰り広げ、資源もコストも分け合います。利得は …

横着者のための、モンテカルロ進化シミュレーション

少し前まで、確率シミュレーションが好きではなくて、数理モデルを前にして力学系の手法だけで料理を試みていた僕ですが、友人からの熱烈な進言をうけて、C++でシミュレーションを回す練習を始めてみました。 集団ベースモデルによるHamilton and May (1977)…

定常状態という仮定

定常状態。平衡状態とも言う。理論・数理生物学の研究者はこれが本当に好きだ。批判ではない。ただの事実である。 その事実には原因がある。定常状態の性質を調べないと、パタンが見いだせないからである。平衡状態にないような、何かの時間変化のことを、tr…

Dropboxの有料プランに加入した

ついにDropboxの有料プランに加入してしまいました。一括で払うと一年で12000円。いままではあらゆる手を尽くして容量拡大の努力を行なっていたのですが、 引用論文の管理ーーPDFリンクのはられたBibdeskによる管理 発表資料の管理ーー年月と学会名でディレ…

引用文献リストでDOIを非表示にする

ISSNはDOIは、文献のグローバルな個体番号のようなもので、例えばDOIを dx.doi.org/ に続けて打ち込むだけで論文URLに飛べる、便利なものです。 しかしDOIやISSNを論文の引用文献から消せないかと思っていましたら、方法が見つかりました: tex.stackexchang…

水素水で営利を追求する企業への不買

非常に良いエントリーを見つけました。 金儲けのために水素水販売に手を出した8つの大手企業 | netgeek 私は、伊藤園やPanasonic、Sharpなど、消費者を騙して利潤を得る企業の商品を購入しません。また、他者から何か物品の購入アドバイスを受けたら、これら…

複数の数式を引用したい

複数の数式をLaTeX内で引用・表示したい場合はどうすればよいか。 いま、4つの式A,B,C,Dを別個の {equation} 環境で表示していて、A,B,C,Dをいっきに引用しようと思ったら、詰みました。 で、調べてみると素晴らしいパッケージが。 その名もCleveref CTAN: P…

数式のあるパラグラフでも行番号を表示させたい

LaTeXでは、lineno.styというスタイルファイルが用意されていて、自動的に・システマティックに、行番号を振ってくれます。 CTANはこちら: CTAN: tex-archive/macros/latex/contrib/lineno これを作業用ディレクトリに置いて、\usepackage{linenumbers}でイ…

MacBook Pro (2010 mid)のカーネルパニック

Mac Book Proを2011年の春から使っているのですが、(いま思うと)OSをMavericksにアップデートして以来、頻繁にKernel Panicを起こすようになりました。 プレビューアプリやGoogleChromeを使っているときに、画面を切り替えたり、スワイプすると、この症状…

論文を書きたい人のための漫画

新年が明けましたね。個人的には、リ◯ェクト通知がいくつかあって、テンションの低い新年です。 リジェクトというのは出版までに経験することの多いつらい経験です。これにより出版は阻まれます。 僕は今回のいくつかのリジェクトにおいては、いずれもレフェ…

今年の研究成果

2015年が終わろうとしていますが、今年はアクセプトが1つもないという屈辱的な1年となりました。 それどころか、12月までひとつも「よい返事」のない1年で、けっこう厳しい精神状況に追い込まれたというのが事実です。 とはいえ、上半期は間をあけて3ヶ月…